「影」――なぜ£100mの選手から£65m前後まで評価が下がったのか
最大の論点は「純粋な司令塔型6番ではない」こと
2024/25、Optaが示した最も興味深い数字がこれだ。
全パスのうち前方へのパスは23%。
500本以上パスしたプレミアの守備的MF32人の中で、4番目に低い割合だった。
先ほど述べた通り、ロングパスや一発の縦パスそのものには能力がある。しかし、ロドリ、マイケル・キャリック、トニ・クロースのように「90分間、どの方向へボールを動かすかを決定し続ける」レジスタ型ではない。
彼は、
Pass → Pass → Pass → 相手を動かす
より、
Receive → Turn → Carry → Break
で試合にインパクトを与える選手である。
そのため「ユナイテッドに6番が足りない → バレバを獲れば解決」という単純な式にはしない方がいい。
より正確には、
ユナイテッドに必要なのは“アンカー一人”ではなく、2枚でアンカー機能を分担する構造。その一方をバレバが担当する。
となる。
ボールを失えば、自分の最大の長所が最大のリスクになる
Optaは2024/25時点でも、最終ライン前で大胆にドリブルする能力を評価しながら「時折ミスはある」と指摘していた。
これは構造的な問題だ。
バレバは「プレスを回避するために安全な横パスへ逃げる」より、「相手を引きつけて自力で外す」ことを好む。その成功時のリターンは大きい。一人抜けば相手のプレス人数が足りなくなり、一気に前線へ数的優位を作れる。
しかし、自陣中央で失えば即ピンチになる。
2025/26はドリブル成功率48%、被ボールロスト19回。単純比較はできないものの、トップレベルのアンカーに求める「絶対に危険地帯で失わない」という観点では、まだ成熟の余地がある。
攻撃での最終成果はまだ小さい
2025/26は、
0得点、0アシスト、xG 0.75、xA 0.76、チャンス創出9。
20本のシュートのうち枠内は2本で、18本はボックス外。
2024/25にはリーグ3得点を挙げ、ウェストハム戦の約30ヤード弾でGoal of the Monthを獲得しているため、ミドルシュートの“最大値”は非常に魅力的だ。しかし再現性のある得点源とまでは言えない。
「強烈なミドルを持つ」と「年間5〜8点取れる」は別物である。
2025/26の後退は無視できない
2024/25のピーク時、バレバはブライトンのYoung Player of the Seasonに選ばれるまでになった。
ところが2025/26は31試合出場でも1,662分に留まり、平均すると1試合約54分。23先発だった。
Sky Sportsも現在の移籍分析で、前年夏には£100m級とされた一方、2025/26はフォームが大きく落ち込み、数字も下降したと指摘している。ブライトン側が前年ほど強硬な価格設定を維持できなくなった大きな理由だ。
シーズン序盤には前年のユナイテッドからの関心が本人に心理的影響を与えた可能性をヒュルツェラー自身も認めていた。その後AFCONでチームを離れ、復帰後もしばらく先発とベンチを行き来した。一方、4月のチェルシー戦などではヒュルツェラーが「昨季のCarlosを見た」という趣旨の評価をしており、完全に能力を失ったわけではない。
したがってスカウティングでは、
2024/25=能力の上限を示すシーズン
2025/26=パフォーマンスの下限と安定性リスクを示すシーズン
として両方を見るべきだろう。
現在の足首負傷
2026年プレシーズンに足首靱帯を負傷し、現時点では回復途中にある。ただSky Sportsによれば長期離脱になる見込みではなく、ユナイテッドはメディカルを含めた手続きを進めようとしている。
だからこそ£60m超を支払う場合、メディカルは形式ではない。靱帯の損傷度、再発リスク、方向転換・加速時の足関節安定性などは、特に爆発的な切り返しを武器にするバレバにとってプレースタイルそのものに関係する。
ユナイテッドで例えるなら「反キャリックで少しポグバ+良いフレッジ」
一人に完全対応する元ユナイテッドMFはいない。むしろ複数の要素を足して考えると理解しやすい。

ポグバとの比較には本人の発言という根拠もある。LOSC時代、アイドルの順位を「ポグバ、デ・ブライネ、チアゴ」としていた。



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