プロフィールと生い立ち――「作られた身体」ではなく「作られた競争心」
基本プロフィール

身長について一部データベースでは異なる数値も出ているが、Transfermarkt、FotMobなどは179cmとしており、体重は約73〜74kgとされる。したがって「大型MF」というより、中程度の身長に強烈な下半身・体幹・瞬発力を搭載した選手と表現する方が正確だ。
代表では2024年6月のカーボベルデ戦でA代表デビュー。その後AFCONにも参加し、2026年3月までのFIFA公認試合で16キャップを記録している。CAFは2026年1月のAFCON期間中、若返ったカメルーン代表の「中盤の柱」と位置付けた。
ドゥアラからEFBCへ
バレバ自身がLOSC公式インタビューで語った生い立ちはかなり濃い。
彼はドゥアラのAkwa地区で育った。幼少期には自宅が火事で焼け、家族で建て直した経験もある。最初にプレーしたのはFutur Soccer FCで、当時のポジションは右ウイング。その後、負傷をきっかけに一度サッカーを離れ、BépandaやGrand Moulinといった地元クラブでは10番としてプレーした。13歳のとき、École de Football des Brasseries du Cameroun、通称EFBCが主催する大会で見いだされてアカデミー入りした。
ここは記事制作上、用語を整理しておきたい。ユーザー指定にある「フット・ドゥ・リール」という経歴は一次資料では確認できず、LOSC本人インタビューで確認できるルートは、
Futur Soccer FC → ドゥアラの地域クラブ → EFBC → LOSC
である。
EFBCはサミュエル・エトー、ジェレミ、エリック・ジェンバ=ジェンバらを輩出してきたカメルーンの名門育成機関でもあり、LOSCは2022年の加入発表時点でバレバを「ラインを壊せる左利きのbox-to-box」と紹介していた。
父親が作った「バレバのエンジン」
父Eugene Balepaは元サッカー選手で、フランスのサンテティエンヌでトライアルを受けた経験があり、最終的には南アフリカでもプレーしたという。引退後カメルーンへ戻り、EFBCで指導者となった。なおLOSCの本人インタビューによれば、父の姓は「Balepa」と“p”で綴るのに対し、カルロスと弟は「Baleba」と“b”になっているという。
そして父親のトレーニングは、現在のプレースタイルを理解するうえで極めて重要だ。
バレバは10代前半から長時間のランニングや筋力トレーニングを課され、14歳から父のプログラムで本格的に肉体強化を始め、U18世代と一緒に練習するようになった。この時期に右WG/10番から現在につながるBtoB MFへポジションを移した。
The Guardianのインタビューでは、さらに具体的だ。毎日約2時間の連続ランニング、自宅近くに置かれていたトラック用タイヤを使ったアジリティ練習、ビーチでの体操・アクロバットなどを行っていた。父親は体操を習得すれば空中戦でボールを読むタイミングにも役立つと考えていたという。現在のバック宙ゴールセレブレーションも、その延長線上にある。
つまりバレバの、
低重心 → 接触されても倒れない → 一歩目で相手を外す → 長いストライドで加速する
という身体能力は、偶然生まれたものではない。
母の死と、性格の二面性
ブライトン移籍の数カ月前には母親を亡くした。本人はそのためイングランドでの1年目が精神的に非常に難しかったと明かしている。13歳の頃に母へ「プロになったら家を建てる」と約束しており、リール時代から建設を始め、最終的にドゥアラで完成させた。
一方、チーム内では非常に陽気な人物でもある。ファビアン・ヒュルツェラーは彼の“fun character”を評価し、バレバ自身も、落ち込んでいるチームメートがいれば笑わせて雰囲気を変えたいという趣旨を話している。
重要なのは、強烈な自己評価と謙虚さが同居していることだ。幼少期のアイドルとしてポール・ポグバ、ケヴィン・デ・ブライネ、チアゴ・アルカンタラを挙げ、「子供の頃からプロになることしか考えていなかった」とLOSCに語っている。その一方で欧州移籍後、自身の守備・戦術理解について当時は「ゼロ」に近かったと率直に振り返っている。
ヒュルツェラーが評価してきたのも、この“intrinsic motivation=外から言われなくても自分で上達しようとする性質”である。
リールからブライトンまで
2022年1月14日、18歳になった直後にEFBCからLOSCへ加入。契約は2026年までで、まずPro 2=リザーブチームに組み込まれた。海外へ出るのはこれが人生初だった。
リールBでは13試合1得点。その後トップチームへ昇格し、トップでは通算23試合に出場した。リール公式によれば2022/23は公式戦21試合に出場している。
そして2023年8月29日、ブライトンへ移籍。契約は5年。Optaによれば取引は最大**£27m規模**になる可能性があった。トップレベルではまだリーグ先発6試合しか経験していない19歳に対する投資としては、当時から非常に大胆だった。
結果的にブライトンでは2026年8月現在、全公式戦で112試合4得点。2024/25にはクラブのYoung Player of the Seasonに選出され、ウェストハム戦で決めた約30ヤードのミドルはプレミアリーグの2025年4月Goal of the Monthを受賞した。



コメント