英雄としての戴冠:スールシャール体制下の「鉄人」システム(2019-2021)
2019年8月、マンチェスター・ユナイテッドはレスター・シティからハリー・マグワイアを当時のディフェンダー史上最高額となる8,000万ポンド(約9,730万ドル)の移籍金で獲得した。この取引は、2018年1月にリヴァプールがフィルジル・ファン・ダイクに支払った7,500万ポンドを上回る世界記録であった。クラブはマグワイアに対し、週給19万ポンド、契約満了2027年6月(1年の延長オプション付き)という長期契約を提示し、ディフェンスラインの再建を託した。
マグワイアのインパクトは即座に現れた。デビュー戦となったプレミアリーグ開幕戦のチェルシー戦(4-0の勝利)でいきなりマン・オブ・ザ・マッチに選出され、その守備力と空中戦 of 強さを満天下に示した。さらに、2020年1月にはオーレ・グンナー・スールシャール監督によってキャプテンに任命された。
この時期のスールシャール体制におけるユナイテッドは、ミドルブロックからローブロックを基本とし、強固な守備から高速カウンターを繰り出す戦術を志向していた。この戦術設計は、自陣ペナルティエリア付近での圧倒的な跳ね返し能力と、ボール回収後の正確なミドル・ロングパスによる起点作りに長けたマグワイアのプロファイルに完璧に合致していた。移籍初年度の2019-20シーズン、マグワイアはプレミアリーグ全38試合にフル出場(3,420分)を果たし、チームはリーグ3位フィニッシュ、守備の安定性は劇的に改善された。
翌 2020-21シーズンも「鉄人」としての稼働は続き、連続フル出場クラブ記録に並ぶ「71試合連続フル出場」を達成した。チームはリーグ2位でシーズンを終えたが、シーズン終盤に彼が足首を負傷し、ビジャレアルとのヨーロッパリーグ決勝を欠場した際、ユナイテッドの守備陣は不安定さを露呈して準優勝に終わり、マグワイアの不在がその重要性を逆説的に証明した。




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